
1965 年に帰国すると、日本初のハリウッド式メイクアップアトリエを開設、美容の世界に"モード"というコンセプトを取り入れるなど、常に美容業界をリードしてきた彼の胸にあったものー それは、「髪と顔は不離一体のものである」という確固たる理念でした。
美容室はトータルな美を創造するサロンであるべき
「美容師」。この言葉を辞書でひもとくと、「美容術を施す人」とあり、「美容術」とは、美顔・整髪・着付けなど容姿を美しくするために施す技術、とあります。シュウ ウエムラが常に目指していたのは、まさにこの言葉の意味する通り、ヘアとメイクをトータルにとらえるコアフュール(ヘアスタイリスト)とマキユール(フェイススタイリスト)という2 つの顔を持つプロフェッショナルであること。ヘアやメイクアップのテクニックのみにとどまらない、スキンケアや食事など日常生活でのホームケアを含めた美容全般のエキスパートであり続けること。
そして、美容師たちのアトリエである美容室は「トータルな美を創造するサロンであるべき」というトータルビューティーでした。これこそが、シュウ ウエムラの普遍の美容哲学の核となっているのです。